リフティングフィラー、鍵は支持靭帯
長いあいだ私たちは、顔の老化を「ボリュームが減っていく過程」だと考えてきました。そのためアンチエイジングの中心も、自然と足りないボリュームを満たすことに置かれてきました。こけた頬を満たし、ほうれい線を埋め、足りないボリュームを足すこと。フィラーが代表的なアンチエイジング施術として定着した理由も、ここにあります。
しかし近年、老化を捉える視点は変わりつつあります。鏡の中の顔が以前より老けて見えるのは、単にボリュームが足りないからではありません。フェイスラインはぼやけ、中顔面は長く見え、口元は下を向きます。顔は何かを失うというより、顔を支えていた力が弱まり始めた状態に近いのです。その中心にあるのが、支持靭帯です。
支持靭帯は、皮膚とSMAS、骨膜をつなぎ、顔の脂肪と軟部組織を本来の位置に支える解剖学的構造です。若い顔では顔の重みを安定して受け止めていますが、時間の経過とともに弾力が低下すると、脂肪は下へと移動し、顔の重心もともに下がっていきます。こうした支持力が弱まるほど顔の荷重は下へと移り、フェイスラインはぼやけ、ほうれい線やマリオネットラインがいっそう目立つようになります。
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